
The Futureブランド戦略チームでは、いま一つの問いに向き合っています。K-Beautyが世界のバスルームを変え、K-Foodが食卓を変えたとするならば、その次に変わるものは何かという問いです。
この問いを考える中で、私たちが注目したのは新しいトレンドではありませんでした。むしろその逆で、すでに韓国の日常に根づいていながら、まだ一つの言葉として整理されていない価値です。それが「K-Wellness」という考え方であり、私たちのブランド戦略は、この概念をわかりやすく定義することから始まっています。
2020年のアカデミー賞の直後、ポン・ジュノ監督は「身近なものを丁寧に見つめることで、より広く共感される可能性がある」と語りました。パラサイト 半地下の家族のように、韓国のリアルな日常を描いた作品が世界的な評価を得た背景には、この視点があると考えられます。
これは映画に限った話ではなく、一つの共通した流れとして捉えることができます。K-Beauty、K-Food、K-Dramaも同様に、グローバル市場を前提に設計されたというよりも、韓国の日常を丁寧に表現した結果として、自然に広がっていきました。そして今、その三つの流れが一つの方向を示しています。
ブランド戦略チームがこの流れを軸に据えたのも、同じ視点からです。The Futureが「Love Yourself」を哲学に掲げ、Nourish・Support・Enhance・Renewという4つのステップでウェルネスの流れを設計しているのは、K-Wellnessという新しい価値を、日々の生活に取り入れやすい形で提案するためです。
K-Beautyが示した日々のケアの考え方
従来のスキンケアがトラブルの“対処”を重視する傾向にあったのに対し、K-Beautyは肌そのもののコンディションを整えることに着目してきました。肌のバリア機能を健やかに保つことで、トラブルを未然に防ぐという考え方です。
この視点は、毎日のケアを大切にする習慣として広がり、無理なく続けられるスキンケアルーティンとして定着しています。日々の積み重ねが、肌にうれしい変化をもたらすことが期待されています。
K-Foodが伝える食とからだの関係
キムチや味噌、マッコリなど、韓国の食文化は発酵を基盤として発展してきました。こうした食材は、腸内環境との関係でも注目されており、日々の食事が健康習慣の一部として見直されています。
食事は特別なものではなく、毎日の生活に自然に取り入れられるものです。バランスよく取り入れることで、からだにうれしい変化をサポートすることが期待されています。
K-Dramaが映し出す“自分を整える”感覚
マイ・ディア・ミスターやリトル・フォレストのような作品では、登場人物が日常の中で自分を整えていく姿が描かれています。過度な演出ではなく、静かな生活の積み重ねが印象的に表現されています。
こうした作品に共通するのは、「どのように自分をケアするか」という視点です。季節に合わせた食事や、人との関係を大切にする姿勢などが、自然なライフスタイルとして伝えられています。
3つの流れが重なるK-Wellness
これらの流れはすべて、身近な生活を丁寧に見つめるという共通点を持っています。肌を整えること、食事を大切にすること、季節を感じること。こうした日常の積み重ねが、持続可能な健康習慣につながると考えられています。
K-Wellnessは、こうした価値をひとつにつなぐ考え方として捉えることができます。特別な取り組みではなく、日々の生活に無理なく取り入れやすい点が特徴です。
日常の中で育まれるウェルネス
K-Wellnessは単なるキーワードではなく、日々の小さな選択の積み重ねによって形づくられるものです。朝のルーティン、食事の選び方、季節を感じる感覚などが、少しずつ自分自身のバランスを整えていきます。
「Love Yourself」という考え方も、こうした日常の延長線上にあります。自分自身を後回しにせず、無理なく続けられるケアを取り入れること。それが、これからの健康習慣を支える大切な視点の一つと考えられます。
K-Wellnessは、特別な変化を求めるものではありません。日々の生活の中で、自分に向き合い、整えていくこと。その積み重ねが、心とからだのバランスを支える基盤となることが期待されています。
Source
Britz, G.W. et al. (2019). "Epidermal growth factor signaling in skin aging." Journal of Dermatological Science, 94(1), 2–8.
Kim, B. et al. (2021). "Fermented food consumption and gut microbiota diversity." Journal of Nutritional Biochemistry, 89, 108567.
Levine, B. & Kroemer, G. (2019). "Biological Functions of Autophagy Genes: A Disease Perspective." Cell, 176(1-2), 11–42.

